【感想】ぶつくさモンクターレさん/作:サトシン、絵:西村敏雄(PHP文庫)

図書館で1〜2週間に1回、10冊くらいずつ絵本を借ります。
職場近くの図書館では1度に30冊まで借りることができるので、持って帰ることができる範囲で面白そうな絵本をチョイスします。

図書館がおすすめしているもの、好きなシリーズのもの、作家で選ぶもの、表紙で選ぶもの、タイトルで選ぶもの…。

この本は「タイトル」で選びました。

ぶつくさモンクターレさん。
主人公であろうモンクターレさんは、一体なぜ、何にもんくをたれるのか!?
気になってしかたない。

絵もキャッチーだし、まずは読んでみよう!

モンクターレさんは、散歩をしていました。
すると、通りすがりの道や山や川にもんくを言います。
あたたかくて眠くなると、天気にももんくを言います。
ようやく街に到着したモンクターレさんは、洋服屋、帽子屋、くつ屋…もんくが止まりません。
ところがお肉屋さんではもんくを言いながらも、おなかがぐーっと音を立てます。
レストランに入ったモンクターレさんは、とうとう…?

しょっぱなから理不尽にもんくばかりたれているモンクターレさんは、当然のことなのですが、街の人に良い顔をされません。
でもモンクターレさんにはまるで悪びれた様子はないんですよね。
呼吸をするように、淡々と文句を言うのです(笑)。

3歳の娘はくいいるように絵本をみつめ、自分でページをめくっていきます。
すると、なぜか読み進めていくうちにだんだんモンクターレさんに愛着がわいてしまいます。
最終的には
「いるいる、こういう人っているわ~。」
と思わず親子で笑いながら絵本を閉じる展開に。

悪気なく周囲にいやな思いをさせてしまっている大人を後味が悪くなることなくユーモラスに描いているこの作品、もっとたくさんのお子さんやご家族の感想が聞いてみたいです。

某サイトのレビューでは「オチすっきりしない」とか「自分がもんくたれモードになってしまう」というようなご意見もありますが、私はこの絵本のオチには深みを感じています。

文句の連鎖だったり、理不尽さだったり。
なにより、子どもがとても楽しそうに(かつ冷静に)「またもんく言ってるよ~(笑)」と言うんですよ。

ちなみに、我が家では一定スパンで「モンクターレさん読みたい!」とリクエストが届きます。

◆娘=3歳(読書当時)
◆ジャンル:えほん
◆発売日:2011/10/8
◆日本語