【感想】ぷくちゃんのすてきなぱんつ/さく:ひろかわさえこ(アリス館)

「この本のおかげで、スムーズにトイトレできました。」(40代 女性)


娘が生まれて2年と8ヶ月がすぎた頃のおはなし。

「トイレトレーニングするなら夏がいいよ。」

親切なママ友が教えてくれました。

トイレトレーニング?
トイレには毎日いくんだからいつでもいいんじゃないの?
そもそもオムツなんて放っておいてもそのうち外れるでしょ?

しかし、どうやら冬は寒くてトイレが近くなるのでトイトレを始めるなら夏がいいらしいのです。

何を隠そう、母親であるこのわたしはおもらしマンの経歴があります。
幼稚園ではしょっちゅう失敗。
おねしょは小学生になってまで続いてました。
ゆえに「おもらし?だから何?」くらい軽く考えていたんですよね。

とはいえ、時と場合によっては人に迷惑がかかってしまう。
(いや、ほとんどのケースは迷惑がかかる!)
でも、子どもの生理的な成長過程なのだから、迷惑がかかるような場所では無理にオムツを外さなければいい、そう思っていました。

あこがれの「おねえさんぱんつ」

そんな時、娘がしきりと「おねえさんぱんつ」を連呼。
「可愛いから」と興味本位で買ってみたパンツが気に入ったらしく、オムツの上から履いてよろこんでます。

朝起きたら「おねえさんぱんつ」。
寝るときも「おねえさんぱんつ」。

「おねえさんぱんつ、はきたいの?」

と聞くと、嬉しそうに

「うん!」

と答えるではないですか。

仕方ないので、夏も終わりに近づいているころ、しぶしぶトイレトレーニングに取り掛かることにしました。

はて、トイレトレーニングとは?

物心ついたときにはおもらしマンだったので、トイレトレーニングを自分がした記憶はありません。おそらく母は、3歳で幼稚園に上がるとき、強制的にオムツからパンツに変更したのでしょうね。

結局、わたしも母と同じように、まずは強制的にパンツを履かせてみました。

するとなんとなく定期的に「おしっこ〜」と教えてくれ、すんなりとトイレでできちゃいました。(トイレには某教材のトレーニング用の顏パーツシールをはって「トイレちゃん」と名付け親しんでいたので、トイレに入ること自体を嫌がることはありませんでした)

予想外の法則が・・・

娘、優秀〜!
もしかして、数日でオムツはずれちゃう!?

数日経過し、その間に何度か失敗することがありました。

さらに数日経過し、ある法則に気づいてしまいました。

 

(パパと2人きりのときだけ失敗している・・・)

 

理由は色々あると思いますが、直感的にそこを追求しても仕方ないと思いました。お姉さんぶりたい娘の性格を考えると、何度も父親の前で失敗するのはいやだろうと容易に想像できたからです。

スムーズにお着替えしてくれないときもあるわけですし、このままおもらしが続けば、父親のとの関係がギクシャクするに違いない!早く解決してあげるのがわたしの仕事だと思いました。

せっかくうまく行きそうな娘のトイトレ。
自信を失ってしまってはもったいないですし。

そこで、図書館でちょうど良さげなこの本を借りてきたわけです。
読んでみると神がかってました(笑)。

トイレの神さまならぬ、トイトレの神さま(笑)。


ぷくちゃんのシリーズに出てくる家族は、とにかく暖かいんです。

この本は、ぷくちゃんのトイトレがテーマなのですが、失敗してもおかあさんが笑顔で、

でも、だいじょうぶ。
ほらね、おかわりぱんつ。

と新しいパンツをニコニコしながら用意してくれます。

ぷくちゃんも、おかあさんの優しさに甘んじることなく、失敗にめげずにトイトレに励みます。「すてきなぱんつ」をはきたいのでしょう。

これだ!!!

トイトレに必要なのは、トレパンでもおまるでもない。
寛容に包み込む家族の笑顔おかわりパンツ

その日から、たくさんのパンツを持ち歩き、わたしも

「だいじょうぶ。おかわりパンツあるよ!」

とニコニコ笑顔でお着替えにつきあうようにしたのです。

娘が「ぷくちゃん読んで」と毎晩のようにおねだりするので、自宅で読めるように購入しました。娘のモチベーションも読書のたびに補充されているかのようでした。

お◯◯さんパンツ

冬が近づいた頃。
(たまに失敗することもありますが)年少に上がる前に、晴れて娘はオムツを卒業しました。

3歳になった今でも、時々この本を取り出してなつかしい様子で読んでいます。きっと「すてきなぱんつ」やすてきな家族が気に入っているのだと思います。

ありがとう、ぷくちゃん。
がんばったね、娘ちゃん。
バイバイ、オムツさん。

懐かしくなって「ぷくちゃんのすてきなぱんつ」を手に取ろうと寝室に入ると、なんと娘がパパのパンツをパジャマの上から履いて寝ていました。

「おとうさんパンツ」のターンがやってきたようです。

◆娘=2歳(読書当時)
◆ジャンル:えほん
◆発売日:2001/2/1
◆日本語

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